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時を重ねたお厨子の絵を未来へ

kisaragihyougu
6月13日
読了時間: 2分

今回ご紹介するのは、古い大きな仏壇の内部に納められていたお厨子に描かれた絵の修理です。


このお厨子の絵は、以前にも修理が施されていましたが、経年劣化によりその修理箇所が破損してしまいました。今回は傷んだ部分を見直し、改めて修復を行っていきます。


もともとは大きな仏壇の一部として納められていたものですが、仏壇の改修に伴い小型化され、この絵は屏風仕立てにして額装作品のような形へと姿を変えていました。長年、仏壇の内部で静かに祈りを見守ってきた絵が、新たな形で大切に受け継がれてきたのです。


この絵は金箔押しの紙に描かれており、長い年月を経て破損が進んでいました。調査したところ、過去に施されていた裏打紙や「浮け紙」と呼ばれる下地部分が非常に脆弱になっており、本紙を支えきれなくなったことが主な原因でした。


そこで今回の修理では、まず本紙の裏打ちをやり直し、破損箇所には強化紙を施して補強を行いました。


さらに下地には「浮け」の工程を施し、その上から「浮け縛り」と呼ばれる工程を重ねることで、より強固で安定した下地を作り上げました。そして、十分に補強された本紙を丁寧に張り込みました。


今回の修理では、本紙そのものに合計三層もの和紙による補強を施しています。表からは見えない部分ですが、こうした下地づくりこそが作品の寿命を左右する大切な工程です。


古くなったものを単に直すだけではなく、その歴史や想いを受け継ぎながら、新しい形で次の世代へつないでいくことも、表具師の大切な役割の一つだと感じています。長年、人々の祈りを見守ってきたこの絵が、これからも末永く大切にされることを願いながら修理を行いました。

修理後


破損状況

本紙裏より補強



 
 
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