ご自身の書を掛軸に仕立てるということ
- kisaragihyougu
- 54 分前
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先日、掛軸の製作を行いました。
本紙は、お客様がご自身で揮毫された大切な書です。

今回の本紙は縦寸法がやや長く、そのままいつも通りの裂寸法で仕立てると展示時に床に付いてしまう可能性がありました。そこで、全体のバランスを見ながら裂の寸法を通常よりも少し短く調整し、掛けた際に安定する構成としています。
また、風鎮を使用しなくても自然に垂れ下がるよう、軸棒や軸先にはあえて重みを持たせ、細かな部分まで調整を行いました。見た目の美しさだけでなく、実際に掛けて鑑賞する場面を想定し、扱いやすさと保存性の両立を意識した仕立てです。
ご自身で書かれた書が、掛軸として完成した時の佇まいは格別なものがあります。
大切な作品を、長く安心して楽しんでいただけるよう、今後も一つひとつ丁寧に仕立ててまいります。


